海外生活10年の学生が帰省を記録したドキュメンタリーフィルムを鑑賞した。
邦題:もう、帰る家がない
原題:I Don't Feel At Home Anywhere Anymore
邦題のつけかたが好き。
地元を離れて生きる人であれば、多かれ少なかれ感じる地元・家族との価値観の隔たりを、まったく言葉で説明せずに上手く見せている作品。
私の場合は国内外を転々としながら育ち、受けてきた教育や触れてきた価値観が親世代と異なるから隔たりを感じるのかと思っていたが、物理的に「実家」がある人の場合でも精神的なコネクションの喪失があるのだなというのが新たな発見で新鮮だった。長らく慣れ親しんだ場所が変わらずそこにあるからこそ、喪失感がより大きなものだったりもするのかな。
ちなみに、この地元に帰省した時に感じるギャップや居心地の悪さについて「まったく気にしなくてよい、むしろ自分が進化しているんだととらえた方が良いのでは」と提言している音声配信を昨年の年始に聴いたのを思い出したので、備忘のためこちらに記録しておく。
帰る家がなくなったら、新しく自分でHOMEと思える場所を作るしかない。
私にとってそれは共にHOMEを作ってくれるパートナーと結婚をすることで叶ったような気がする。今のところは。