クロネコの手帳

知ったこと+考えたことの記録

歌わずにはいられない~you can't help but to just bring it out

私は何かに没頭したり打ち込んだりした経験がない。

 

そこまで熱中できるものになかなか出会えなかっただけなのか、自分の性格なのか。

幼少期から2,3年おきに住む場所が変わる人生だったので、その都度アクセスできる習い事も変わり、環境的に1つの事を長く続けることができなかったからなのか。

言語も教育システムも度々変わるので、ベーシックな暮らしに順応することで精一杯だったからなのか。

とにかくいつも必死に過ごしていたような気がするものの、その頑張りの対象は自分が心から好きなものというわけではなかった。

 

高校を卒業するまでは目の前にある勉強をとりあえずこなし、

学生時代はそれまでの反動でダラダラすることを満喫し、

働き始めてからは滅私奉公で仕事をし、

出産後は子供たちに暮らしの全てを占有されることを甘受していた。

 

子供たちの手が少しずつ離れて時間ができると、その空いた時間に何をして過ごせばよいか全くわからなかった。

仕方がないので、暇な時間を埋めるためにパートを始めた。

今のところ自分の優先順位の最上位から子供たちを動かすことができないので、子育てや家事に支障のない時間帯だけ仕事をしている。

でもそのパートで埋まったのは時間だけ。充足感は得られなかった。

何か好きになれる時間の過ごし方を見つけなければ、、焦燥感が募った。

 

そこで出会ったのがゴスペルだった。

通りかかった場所に案内が貼られていたのを見て参加するようになった。

参加してみると思いきり歌うことも、パートごとに異なる旋律を合わせた時に生まれるハーモニーの心地よさも大好きになった。

没頭しているとか、打ち込んでいるというレベルには至っていないが、ゴスペルが自分の日常の一部になりつつあることがとても嬉しいし、40年近くかかってようやく趣味と呼べるようなものと出会えたことで不思議と安堵した。

 

そんなゴスペルが題材になっている映画【GOSPEL】を観た。

2年にわたり日米のゴスペルクワイアを取材したドキュメンタリー映画で、ノンクリスチャンの日本人がゴスペルを歌う現象に着目して関係者に話を聞く内容だった。

アフリカンアメリカンのクリスチャンの方々にとってゴスペル音楽とは何なのか、その想いに触れることができて得たものは大きかったように思う。

考えがまとまっていないので、ひとまずインプット歴としてここに記録しておく。

 

映画の中で登場する人たちが口にした印象的だった言葉を以下の通りメモ:

 

亀渕友香さん

「音楽が自分の心や生活から離れたところにあると感じていた。生活と結びついた音楽をみんなに届けたいと思って日本でゴスペルを始めた」

 

Rev. Gerald A Robinson Sr.

"Gospel music is what has brought African Americans all the way from slavery to where we are right now"

"Gospel music is the heartbeat of christians and African American community"

 

ルイジアナ州のゴスペルを歌う女性

"If you gonna sing, you gatta sing like you know what you're singing about.

You gotta sing loud, so people can hear you and understand what it means to you”

"When you're singing songs, it means so much to you.

And you can't help but to just bring it out"

 

ルイジアナの女性が、ゴスペルを歌い始めた時に叔母から言われたという「歌うなら、何について歌っているのかわかっていないといけないし、自分にとってそれがどんな意味を持つものなのか聴く人にわかるように大きな声で歌うのよ」という言葉が特に響いた。

知識と敬意をもって歌わせてもらわないといけない音楽。

改めてそこに意識を向けることができて良かった。

 

映画はこちらで鑑賞しました。